たとえそれが初めてプレイしたゲームでも、プレイヤーをすぐに魅了できるのがアクションアドベンチャーゲームです。傑作アクションアドベンチャーはゲームファンの間で常に上位にランクインするジャンルで、今でも根強い人気を持ち続けています。その人気の秘密はどこにあるのでしょうか。ジャンルの歴史を紐解いて、その魅力に迫ってみましょう。
アクションアドベンチャーゲームは、発見そして世界観に注力したゲームジャンルです。主人公キャラクターを操作し、広大な空想世界を冒険します。パズルを解いたり、行く手をふさぐチャレンジを突破したり、やっぱりやめたりして先に進みます。ジャンルの特徴となるのが探索要素で、傑作を傑作たらしめるのもこの要素次第といえるでしょう。
アクションアドベンチャーの開発は困難です。ハードルの設けられたマップ内をプレイヤーに探索してもらいつつ、濃密な世界観に没入させる必要があるからです。アクションアドベンチャーは通常、シングルプレイを想定した作りになっています。そうすることでプレイヤー自身がプレイを完全にコントロールできるからです。プレイヤーによる判断、挑んだ試練、道中で解いた謎がプレイ感の決め手となります。
現在、アクションアドベンチャーはオフラインとオンラインのものがあり、PC、家庭用ゲーム機、そして最近では様々なモバイルデバイスでもプレイできるようになりました。人気の高い作品は通常、複数のプラットホームでの同時リリースにより、幅広いプレイヤー層に提供されています。これが一因となり、アクションアドベンチャーは王道的なジャンルとして、様々なプレイヤー層が楽しめる設計になっています。これはジャンルの成功と進化が続く要因にもなっています。
傑作アクションアドベンチャーの人気の決め手はシンプルで、プレイヤーがストーリーをコントロールできる点といえるでしょう。気分によっては、一人称シューティングやジャンプアクションゲームでハイスピードアクション、簡単操作のメリハリを楽しみたい時もあるでしょう。一方で、マイペースに進めることができ、道中での行動がその後の展開に影響するようなゲームが遊びたい時もあるでしょう。
アクションアドベンチャーでは先に進むために必要な行動が幅広く設けられていることが多く、これがプレイの奥行きに直結しています:
アクション性の強いタイトルが多いものの、アクションアドベンチャーゲームは必ずしも戦闘を重視しているとは限りません。従来のアクションゲームよりもはるかに広大な世界背景に、対立やアクションなどの要素が有機的に織り込まれていたりします。
また、アクションアドベンチャーはコレクションRPGとは別ジャンルであるのもポイントです。人気ジャンルとなっているコレクションRPGでは世界設定よりもキャラクターのレベルアップ、そして他プレイヤーとの対戦ないし協力要素に焦点が当てられていることが多いのが現状です。これに比べ、アクションアドベンチャーではストーリーの主人公となって数々の発見に彩られた旅路をたどることになります。前に進んでいる実感を演出するためにRPG的な要素を採用しているオンライン型のアクションアドベンチャーも数多く存在します。
傑作アクションアドベンチャーゲームはプレイヤーによる発見が根幹にあるため、奥行きのある複雑な世界設定に注力したものこそ傑作といえるでしょう。カギとなるのはプレイヤーが自由に散策できる、広大なオープンワールド型のマップを採用した、臨場感溢れるゲーム世界の構築です。オンライン型のアクションアドベンチャーには伝説上の生物、魔法使い、英雄などがそろった、限リなく広がる世界を舞台としているものが多く存在します。
ジャンルとしての魅力はこの広大な世界観に加え、個人的な思い入れの余地が大きくとってある点が挙げられるでしょう。アクションアドベンチャーゲームでは、しばしば主人公の人物像が描かれます。キャラクターがゲーム世界内を旅する一歩一歩を成長過程として目にすることになります。レベルアップ、ストーリー上の章のクリア、実績の達成などが成長の目安となります。
魅力的な世界設定を生み出すために、作り手はしばしばポップカルチャー、とりわけ魅力的なテーマや伝承などを扱う文学や映画などからインスピレーションを得ています。ものによっては文学の在来技法にならうことでキャラクターの成長を描いています。プレイヤーが試練やクエストを達成することでキャラクターの背景設定が解明されていきます。探索を通じて情報の断片を集めることで、ゲームの舞台となる世界の奥行きを感じ取ります。傑作アクションアドベンチャーではこのように、散策をしたり、本編から逸れたミッションを達成したりする動機付けがあるわけです。
PCで人気を博した大作アドベンチャーゲームもいくつかありますが、アドベンチャーゲームと呼ばれる草分けは1970~1980年代にテキストベースのストーリーゲームとして発売されました。それらのゲームはプレイヤーが実質、イエスかノーの2択で判断をすることでクエストを達成し、ゲーム世界を探索していくというものでした。これらのアドベンチャー系PCゲームは20世紀の終わりが近づくにつれて複雑な発展をみせ、1990~2000年代に大型で深みのある作品が発表されたことで定着しました。
ゲームの技術が進むにつれ、アドベンチャーゲームはテキストベースのシンプルなものから、カーソルを使ったポイント・アンド・クリック方式のもの、そして先進的なオープンワールドゲームへと発展し、プレイヤーの移動や行動の選択肢は際限なく広がっていったのです。この10年では章単位で展開するアドベンチャーゲームが台頭し、ダウンロード販売の普及によりプレイヤーが定期的に新しいコンテンツを楽しめるようになっています。
このような絶え間ない進化により、アドベンチャーゲーム、そしてアクションアドベンチャーゲームが屈指の人気を誇るゲームジャンルであり続けているといえるでしょう!