アップル社のMacコンピュータは、デザイナーやフォトグラファーのための最高のマシンとして常に評価されてきました。しかし、ゲーミングマシンとしての評価は散々たるものでした。これは驚くべきことです。クリエイターにとって理想的なmacOSの性能を持ってすれば、ゲームもハイパフォーマンスで遊べると思うでしょう。しかし、Macには最高のゲームを実行するだけの最新グラフィックスカードも、それを処理するだけの能力もないのが現状でした。
そんな中、近年ゲーミングの処理能力に対するMacの考え方に変化が見られました。Mac対応の無料ダウンロードゲームからAAA作品まで、高品質なタイトルが急増しているのです。そこで、ここではMacのゲーム史を紐解くとともに、今日における最高のMacタイトルの主な特徴を探ってみましょう。
“Macゲーム”とは、アップル社製のMacコンピュータ向けに開発または移植されたゲームタイトルを指します。1984年に初代Mac(当時はMacintosh【マッキントッシュ】と呼ばれた)が発売されて以降、実に多くの新モデルが登場しました。
今日、様々なゲームをmacOS搭載マシンで遊ぶことができます。一部事前に購入が必要な作品もありますが、前述のとおり無料でMacゲームを楽しむことができます。高品質な無料のMacゲームは高い人気を博しており、その多くでApp内課金が採用され、アイテムを購入することでゲームプレイのカスタマイズが可能となっています。
今では最高のMacゲームで、実に素晴らしいゲーム体験を得られますが、たった数年前まではまったく異なる状況でした。そんな興味深いmacOSゲームの歴史をたどると、大手IT企業が見せた、考え方の変遷を知ることができます。
2010年「VentureBeat」は、macOSのゲーム史に迫ったリチャード・モスの記事を掲載しました。その記事でリチャードは、Macは“娯楽”の代名詞にはならないが、当初からゲームがMacユーザー体験の一部であったと記しています。Macintoshを発売したアップルの目標は、生産性の向上だったかもしれません。しかし、テキストアドベンチャーや移植版のゲームは、初代モデルから登場していました。
その後も数々のゲームタイトルがリリースされました。そして、Windowsやゲーム専用機が巨大なライバルとして目前に立ちはだかります。Windows 95の登場とその後の大躍進を受け、アップルは苦境に立たされます。1998年にリリースされたmacOS対応ソフトはたったの28本でした。
スティーブ・ジョブズは経営やハードウェア製品の立て直しを進めましたが、ゲーミング界隈では、その後も他社デバイスの後塵を拝し続けていました。macOS対応ソフトのリリースはあるものの、その多くの場合、Windowsや家庭用ゲーム機で発売されてから時間のたった作品の移植版がメインでした。
その後もMacゲームは、開発環境におけるIntelアーキテクチャへの移行などが影響し、長きにわたり数々の浮き沈みを繰り返しました。しかし近年、アップルはMacでの快適なプレイ環境を実現すべく、小さくも強い決意を感じさせる歩みを見せています。
そのひとつが「Apple Arcade」です。手頃な定額制のサブスクリプションサービスで、Macゲーマーは膨大なタイトルから遊ぶことができます。カジュアルゲームからAAAタイトルまで、「Apple Arcade」はMacユーザーにとって“気分転換”のツールになりました。
さらにアップルは、Mac Catalystの導入でiOSとmacOSの草の根的なクロスプラットフォームプレイの改革を進めており、開発者はiOSアプリのソースコードからMacアプリを開発できるようになりました。まだ発展途上のシステムですが、少なくともアップル全体として、MacユーザーにもiOSタイトルで遊んでもらいたい、という姿勢が感じられます。
より技術的な面では、2018年にアップルは独自グラフィックスAPI「Metal」への移行を推奨し、Macと外部グラフィックスカードの互換性を確保することで、ハードウェアの差を埋めようとしました。かつてPCゲーマーの“専売特許”とされた最新グラフィックスカードは、強力な没入感満載のゲーム体験を提供してくれます。まだMacに広く普及していない技術ですが、ユーザーに外付けグラフィックスカードという選択肢を示すことで、優れたゲームマシンとしての地位確立に向けた一歩となっています。
Macゲームの未来は明るいでしょう。アップルが進めてきた小さな変革による影響が、確実に実を結びつつあります。
インターネット上では、様々なサイトで優れたMacゲームの話題が取り上げられています。アクションやアドベンチャーから、パズルやストラテジーゲームまで、実に多くのタイトルをMacで楽しむことができます。また、新たな収益化モデルの登場で、Macゲーム市場はさらに賑わいを見せています。参入の壁がなくなったことで、最高の無料Macゲームは、どんな一流ゲームにも勝るとも劣らない存在に成長しました。
今後もアップルは、間違いなくゲーミング市場に注目し続けるでしょう。同社はゲームをさらに効率よく実行できる、ARMアーキテクチャでのハードウェア開発を発表しました。この動きは、今年初めにアップルが、Mac製品をNVIDIAのクラウドゲーミングプラットフォーム「GeForce Now」に対応させると発表した後にもたらされました。今後Macユーザーは、よりハイエンドなタイトルを楽しむことが可能となります。
さらに評論家の予想では、Apple Siliconへの移行が進めば、iOSとiPadOSアプリをmacOSのネイティブ環境でも走らせることが可能になるとしています。もしこれが実現すれば、iOSラインアップを取り込めるため、“ゲームチェンジャー”になるでしょう。
多くの人が、今後もゲーミング市場に対するアップルのコミットメントが継続すると見ています。今年初め、同社がゲーミングに特化したMacマシンを開発しているのではとの情報が流れました。ここ最近、その憶測は沈静化する傾向にありますが、とても興味深いウワサです。
今までゲームをしたことがない人が、初めて買うならWindows PCとMac、どちらを選ぶべきでしょうか。この難しい質問に答えを出すべく、これまで数々のエキスパートたちが、次の主要項目を対象に比較検証してきました。
しかし結局のところ、プレイヤーやデベロッパーのコミュニティ規模、既存の膨大な数のPCゲームラインアップからしても、Windowsに軍配が上がります。しかし、App StoreやSteamでの評価を見ても、Macでのゲーミング体験は大幅に向上したと言えます。
優れたゲームの条件はたくさんありますが、ここではオンラインと無料ダウンロードプラットフォームから入手できる、人気Macゲームで共通の主な特徴をいくつかピックアップしましょう。
近年のMacOSゲームはハイクオリティな体験を提供できるため、トップタイトルなら確実に奥深いゲームプレイを実現しています。
Macは常に映像美を重要視しているため、間違いなく素晴らしいグラフィックスを提供してくれるでしょう。
最高のMacゲームは様々な形で提供されています。そんな多様なジャンルのラインアップを、すべて快適にプレイできるマシンも重要な要素です。それさえあれば、自分の好みにピタリとマッチした作品に出会えることでしょう。
最高のMacゲームはデバイス性能を有効に活用して、パフォーマンスを最大限に引き出すことができます。それは無料ダウンロードのMacゲームでも、プレミアムタイトルでも同じです。洗練されたMacのハードウェア性能を正しく活用できてこそ、バターのように滑らかなゲーミング体験を実現できるのです。
長きにわたり、MacOSゲームは様々な変革を遂げてきました。今日のAppleデバイスのユーザーたちは、様々な形でトップタイトルを楽しむことができるようになっています。
最高の無料Macゲームから、デジタルゲームストアの無数のダウンロードタイトルまで、様々な作品をプレイしてみましょう。かつてはゲーミング環境として、低い評価に苦しんだ時代もありましたが、そんな失われた時代を取り戻してあまりある劇的な進化を遂げているのです。